クラブメッド・トマム 星野リゾート・トマムスキー場

2019年3月4日から5泊6日、家族4人で、今シーズン2回目の北海道スキーに行ってきました。今回は北海道のど真ん中にあるクラブメッド・トマムです。先シーズンを含めると3回目の訪問です。

クラブメッド・トマムは先シーズンの2017年12月にオープンした、北海道サホロ沖縄石垣島のカピラに次ぐ日本で3番目のクラブメッドのリゾートです。

クラブメッドとは、1950年に創業された、フランスに本拠を置く世界的バカンス企業です。25カ国以上の世界中で、80カ所を越えるリゾートのバカンス村を展開していると言われています。
かつて日本では地中海クラブと呼ばれ、バカンス村の中では食事からアクティビティまで、ほぼすべての料金が旅行代金に含まれている、”オールインクルーシブ”と言うシステムを世界に初めて提唱し、フランス型のバカンスを提供する、ユニークなリゾート運営会社として知られています。

しかし、現在、クラブメッドは、2012年に中国の投資会社、フォースン・グループ(復星集団)に買収されており、同じく、2015年に買収された星野リゾートトマムとの絡みで、すぐ近くにクラブメッド・サホロがあるのですがクラブメッド・トマムをオープンさせたようです。

私が初めてクラブメッド・サホロに行ったのは、サホロがオープンして3年後だったと思います。もう28年も前の事です。
当時、託児所を併設していたスキー場はほとんどありませんでした。
クラブメッドでは、朝、子供を預けたら夕方まで、時にはディナーまで食べさせてくれ、親と子供たちがそれぞれ別々にリゾート生活を楽しめるという夢のようなシステムでした。
子供たちはスキーやプールを楽しみ、ショーに参加し、その間、新しい友達もいっぱいでき、親をほったらかして遊びに明け暮れます。
もちろん小さな子供たちをかかえていた私たちは即座にメッドの魅力にはまり込みました。
それ以来、私たちは毎年何度もサホロに通い、紆余曲折を経ながらも今に至ってます。

クラブメッドでは、顧客をGM(ジーエム)、スタッフをGO(ジーオー)と呼びます。GOは、世界中から集まっており、様々な技能を持って、ホテル業務からショーの運営、アクティビティでのGMの世話まで、メッドの運営にたずさわります。
昔、私が聞いたところによると、GOとGM(顧客)の関係は対等で、GOは宿泊施設もホテルの一室を使い、食事もGMと一緒に食べます。GOもクラブメッドでのリゾート生活を楽しみながら、ホスト側のスタッフとしてGMを楽しませてくれます。すなわち、GOは、職業としてではなく、自身の遊びの延長としてメッドを選んでいるのであり、対等な人間としてプライドを持ってGMに接しながらも、クラブメッド側のホストとして可能な限りGMをもてなす人たちだったと思います。しかし、GOの給料は低く、こずかい程度だったようです。人間は志だけでは生きていけません。ここに、GOを続ける難しさがあるようです。
最近、メッドのリピーターの間でメッドが変わった、GOの質が落ちた等の不満が溢れているようです。この点に関しては、私自身も少なからず感ずるところです。何十年も前から、特にこの10年ほど前から急激にメッドの雰囲気が変わって来ており、メッドのシステム自体が時代の流れに適応できなくなっているのかなと密かに思うところです。
最近は、GOへの待遇は、さすがにかなり変わってきているようですが、詳しいことは私にはわかりません。願わくば、GOへの待遇をさらに改善して、もっともっと質の良いGOが増えることを期待したいものです。

クラブメッドの魅力の1つに、無料のアクティビティがあります。その中でも特に魅力的なアクティビティとして無料のスキーレッスンがあります。
世界中から集まった、スキーのエキスパートであるGOがインストラクターとなり、GMをクラブ1からクラブ6までの6つのスキー技術レベルのクラスに所属させます。ひとクラスは最大でも12〜3人です。クラブ5や6になると、スキーレッスンはほとんどなく、不整地の林間を含むあらゆるコースに連れて行ってくれます。条件が良ければ、ノートラックのひざ下ぐらいのパウダーを楽しめることもあります。午前、午後とほぼ1日中スキーを楽しみます。足前の揃ったGM(顧客)たちとのスキーはとても楽しく、何日も一緒に滑っていると仲間意識が芽生え、とても仲良くなります。このように、メッドでのスキーは一味違う楽しみを与えてくれます。
クラブ5や6では林間に入る前提なので、ヘルメットが必要です。もし無ければレンタルするしかありませんので忘れずにお持ちください。
それと、林間に入るのであれば、ぜひ、ファットスキーをレンタルして下さい。先シーズン、ここのレンタルのファットスキーにほれ込み、家族全員にこのスキーをプレゼントしたぐらいです。ファットスキーでの林間、最高です。

クラブメッドでは、新しいバカンス村をオープンさせる時、全力で新設のバカンス村を支援します。メッドの最高の人材を投入し、資金も惜しまず投入して新しいバカンス村を盛り立てようとします。リピーターの方々はこの事をよくご存知なので、予約が取れないこともあるぐらいです。約20年前の沖縄カピラのオープンの時を思い出します。
先ほども触れましたが、先シーズン、日本では久し振りの新規オープンである、クラブメッド・トマムが新しく営業を開始しました。新規オープン時のメッドは最高だと言う事はもちろんわかっていましたので、先シーズンの2月初旬に早速行ってきました。家族5人で1週間滞在したのですが、大変満足させてもらえました。そのあとすぐにもう一度トマムに行ったくらいでしたのでおわかりいただけると思います。

今回は、先シーズン素晴らしかった思い出をもとに、大変期待して行ってきました。
しかし、なぜか先シーズンと村長が変わっていました。普通、村長は何年か続けるはずです。バカンス村は村長が変わるとスタッフなども変わり、雰囲気ががらりと変わるものです。悪い予感がしました。案の定、 先シーズンいたGOがほとんどいません。皆さん移動したようです。
先シーズンの村長、マリーンはGOたちをかなり厳しく管理していたようで、食事の時は、出来るだけGMと一緒に食事するように指導していたようです。その分、GMとしてはGOと触れ合う機会が多く、大事にされていると感じる事で大きな満足を得ていました。しかし、今回、新しい村長は、GOに対してそのような要求をしてないようで、その結果、レストランでGMと食事をしているGOをほとんど見かけなくなりました。GOとの触れ合いがなくなると、メッドの魅力は半減します。クラブメッドのシステムの根幹に関わる問題だと思うのですが・・・

先シーズンも感じた事ですが、今回、日本人をほとんど見かけませんでした。満室時のクラブメッド・トマムの収容人数は964名との事です。今回、ほぼ満室になっていたと思われるのですが、今回、日本人の顧客は50人に満たないとのことでした。旧正月にあたる春節を避けたため、中国人客の数は前回と比べかなり減っていたのですが、今回は、子供連れの白人が大幅に増えていたようです。ここはどこの国かと思われるぐらい、あらゆる言語が飛び交っていました。

先シーズン初めてトマムに行った時、スキー場自体の面白さにはあまり期待をしていませんでした。サホロのリピーターの方からあまり良くないと何度か聞いたことがあったのです。
しかしそれはうれしい誤算でした。メッドのスキースクールでは、クラブ5、6になると林間の不整地に入ります。サホロの林間は木と木の間か狭く、林間の中にひらけたオープンスペースがほとんどありません。林間と言うよりはブッシュと言った方がいいのではないかと思います。しかし、トマムは違ってました。林間に大きくひらけたオープンスペースが、あちらこちらにあるのです。
また、トマム、サホロは北海道のど真ん中にあります。日本海で大量に発生した雪はその吸収した水分をニセコやキロロなどの日本海側の地域で落とし、文字通りの乾燥したアスピリンスノーとなって北海道のど真ん中、トマム、サホロなどの地域に降り注いできます。そのため、雪質は極めて軽く、ひざ下ぐらいまでのパウダーではなんの抵抗もなく滑ることができます。
カナダのヘリスキーを経験した私の感覚でも、カナディアンロッキーの雪質に勝るとも劣らない、世界有数の素晴らしい雪質だと思います。
ただ、降雪量としてはニセコやキロロなどと比べるとかなり少ないため、林間などの非圧雪エリアのコースコンディションが良い時が少なく、パウダーを楽しみたい上級者にとって、天候に左右されやすいスキー場だと行っても良いのではないでしょうか。
また、トマムは風に弱く、強風が吹くとすぐにゴンドラやリフトを止めてしまいます。一度止まるとその日は一日中止まったままです。すぐ近所のサホロは動かしているのに、トマムはほぼ全面ストップという事が先シーズンありました。リフト、ゴンドラは星野リゾートが管理しています。融通の効かない役人でもいるのかと思うぐらい、スキーヤーに対しての気配りが無いように思われます。

林間等の非圧雪エリアの雪の状況が悪い時、きれいに圧雪されたロングコースをカービングでぶっ飛ばすというのが最高に楽しいところです。しかし、トマムではロングコースが少なく、その上、ゲレンデ下部はなだらかな勾配のスケーティングをしなければ止まってしまいそうなコースが延々と続きます。したがって、カービングを楽しもうにもすぐにあきてしまいます。この点では、様々なバリエーションのロングコースを何本も持つサホロに軍配が上がるようです。

今回、3月4日からトマムに行ったのですが、本州では、3月はもう春スキーの季節です。しかし、北海道ではまだまだ冬です。条件さえ良ければ、この時期であってもパウダーを楽しむことは十分可能です。
しかし、今シーズンは暖冬気味で、私たちが行った時はとても暖かく、新雪は10日以上降ってなかったようでした。それでも林間に連れて行ってもらったのですが、雪は硬いところと柔らかいところが入り混じって、コンディションは最悪でした。
この時期のスキーはサホロとトマム、どちらを選択するか悩むところです。
ちなみに、私たち家族はクラブ6に参加したのですが、他のGM(お客さん)に日本人はいませんでした。インストラクターはチリ人、スペイン人、イングランド人と全て外人で日本語は一切わからず、全て英語での会話でした⁉︎ ⁉︎ ⁉︎
今シーズンのトマムのスキースクールのインストラクターには日本人がほとんどいなかったようです。
クラブメッド・トマムでは日本人のリピーターを増やそうと言う気が無いのではないかとさえ思えます。

トマムの林間を滑ろうとする場合、ゴンドラステーションに冬山解放デスクがありますので、そこで上級者限定解放エリアを滑るという腕章を受け取り、身につけて滑らなくてはなりません。詳細はトマムのHPで確認してください。ネットからも申込みできますのでそちらの方が便利だと思います。

先シーズンも思ったのですが、クラブメッド・トマムの食事は素晴らしいの一言です。
日本料理はもちろん、韓国、中国、洋食、タイ、インドネシア等、世界中の料理が山のように出てきます。毎日、テーマを変え、GMが飽きないよう工夫を凝らしてもてなしてくれます。
もちろん、食べ放題、飲み放題のバイキングです。
旅の楽しみのうち"食"は最大のものかも知れません。その点では、ここトマトは文句のつけようがないと言えるようです。
しかし、帰る頃に何キロ太るのか、悩ましいところです。(笑)

また、星野リゾートトマム運営の日本最大級の造波プール、ミナミナビーチと、隣接する露天風呂、木林の湯を無料で利用できます。しかし、ミナミナビーチはクラブメッドの宿泊棟から道を挟んで向かい側にあります。星野リゾートからはバスを利用しなければならないことを考えると近いとは言えると思いますが、同じ建物の中にないと言う事で、雪が降っていたり、道が凍結していたりすると少しおっくうになるのは私だけでしょうか?
しかし、ミナミナビーチは一見の価値があると思います。自然のビーチのように波が押し寄せ、結構いい雰囲気が味わえます。子供連れの方やアベック(死語ですかね???)の方にとって楽しく遊べるのではないでしょうか。
木林の湯の露天風呂はかなり大きく、雪景色を見ながらゆったりと入れるのはいいのですが、屋内に内湯が無く、水風呂、サウナしかありません。独立した温浴施設と言うよりも、ミナミナビーチの付属設備と見た方がいいのかなと思います。

関西からクラブメッド・トマムに来るとき、伊丹空港は利用しない方がいいと思います。詳しい時間を忘れてしまったのですが、クラブメッドの千歳空港行きのバスの時間は万が一の事を考えているようで、余裕を持ちすぎているようです。帰りの出発は、ゆっくりとランチを食べることができないぐらい早い時間を指定されます。予約するときにトマムの出村時間を確認される事をお勧めします。ちなみに、私は、神戸空港への最終便を利用しています。伊丹空港の便より少し遅く千歳を出発します。これでしたら出村の時間が伊丹発より少し遅く指定されて、最後のランチをゆっくりと楽しむことができます。(笑)

子供たちが成人した今、正直、クラブメッドを卒業しようかと思ったことは何度もありました。昔の良き時代のメッドを考えると腹立たしい思いをしたことも多々ありました。
しかし、まだまだクラブメッドの魅力は健在です。他のスキーリゾートでは味わえない良さがまだまだ残っています。今回も何だかんだと文句を書きましたが、来シーズンも訪れたいと思わせてくれたクラブメッドでした。
先シーズン、今シーズンとサホロには行っていません。2シーズントマムを経験した今、サホロもまた、トマムと同様魅力的なスキーリゾートである事を再認識しました。
私の中にはクラブメッドの選択肢が、サホロ、トマムの2つと増え、どちらを選ぶのか悩ましい選択を迫られるようです。
結局、なんだかんだと言いながらも、来年もまた、クラブメッドの魅力にどっぷりとはまっている事でしょう。(笑)

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