秋田・青森の旅(3)酸ヶ湯温泉

秋田・青森の旅(2)乳頭温泉 鶴の湯 の続きです。

2019年7月15日(土曜日、海の日)より5泊6日での秋田・青森の旅、2日目です。
今日は、酸ヶ湯温泉に泊まります。
乳頭温泉 鶴の湯を出発。田沢湖の観光船に乗った後、盛岡へと向かいました。目的は、わんこそばです。
わんこそばとは、岩手県の郷土料理の一つです。木のお椀に入れた少量の温かい蕎麦を薬味とともに味わいます。15杯前後でもりそば一杯分ぐらいの分量だと言われています。
給仕さんが横に付いて、掛け声とともに、どんどんそばを放り込んできます。お腹がいっぱいになったら、自分のお椀にふたをして終了です。しかし、ベテランの給仕さんにかかると、ふたをしようとする隙間に、どんどんそばを放り込んできます。なかなかふたを閉めることができず、お腹いっぱいなのに止める事ができません。
隙あらば追加のそばを放り込もうとする給仕さんと、なんとかふたを閉めようとあたふたする客とのやりとりがなんとも言えずコミカルで、一度体験したいと思っていたところです。

ネットで調べると、わんこそばの老舗が何件かあるようでした。その中で、東北自動車道の盛岡インター近くに支店がある店がありました。初駒 盛岡インター店です。
酸ヶ湯温泉までどのぐらいかかるかはっきり分からなかったので、インターの近くだというのはもってこいです。
店に到着して、入ろうとすると、なんと、本日は、団体客専用と貼り紙がしてあるではないですか!ちょうど従業員の方がいたので、何とかならないかと頼み込んでみました。彼女は奥に入って許可を取ってきてくれました。この彼女が私たちの給仕をしてくれたベテランさんでした。2階の食事処に案内してもらったのですが、どう見ても食堂という雰囲気ではありません。がらんとした会議室のような部屋に机と椅子が並べられています。どうも、観光バスツアーの乗客へ食事を提供するだけの施設のようでした。老舗食堂としての雰囲気も何もありません。しまったと思ったのですが、もう後の祭りです。覚悟を決めてわんこそばを注文しました。
給仕さんの言うところによると、この店で、わんこそばを食べた最高数は、320数杯(ごめんなさい、はっきり覚えていません)、女性だそうです。
食堂としての雰囲気はあまり良くなかったのですが、わんこそばは本格的でした。給仕さんもベテランらしく、テンポよく、"どんどん"、”じゃんじゃん"、“はいはい”、"頑張って"と掛け声をかけながら、次から次にそばを放り込んできます。私は、60杯でギブアップ。しかし、娘が頑張りました。100杯まで食べようと頑張り、やっと100杯になったので、止めようとふたをしようとします。しかし、どうやってもふたの隙間から給仕さんがそばを放り込みます。給仕さんの手持ちのそばが無くなり、そこで始めてふたが出来たのですが、無くなっていなかったら何杯放り込まれていたかわかりません。ちなみに、娘が食べた杯数は104杯でした。妻と2人で大笑いさせてもらいました。明るく朗らかな給仕さんのおかげです。
100杯以上食べたので、ご褒美に手形を頂けました。いい記念になりました。
料金は、食べ放題で、1人、2268円でした。

お腹もふくれたので、あとは、一路、酸ヶ湯温泉へと出発です。

酸ヶ湯温泉までは、東北自動車道の盛岡から黒石まで約1時間半、黒石インターから酸ヶ湯温泉まで地道を通って約40分。2時間10分かかりました。

酸ヶ湯温泉は、青森市より南へ約30km、八甲田山の主峰大岳の西麓で、海抜900m余りの高さにあります。ここは世界有数の豪雪地帯であり、冬期の積雪は5m以上と言われています。
八甲田山は、新田次郎の小説、"八甲田山死の彷徨"の舞台であり、映画にもなったので、ご存知の方も多いのではないかと思います。

JR青森駅から酸ヶ湯温泉行きのJRバスが出ており、酸ヶ湯温泉まで1時間10分かかります。
残念ながら、空港から直接酸ヶ湯温泉へ行くバスは無いそうです。
また、宿泊者限定ですが、青森駅から酸ヶ湯温泉まで無料送迎バスが1日2便出ています。予約は必須です。
詳しくは、酸ヶ湯温泉のHPをご確認ください。

酸ヶ湯温泉は、300年以上前に開湯したと言われているのですが、建物にも歴史を感じると言うのか、いい意味での重厚感を感じます。建物は常に手を入れられているようで、部屋に古さは感じられませんでした。ただ、トイレ付の部屋は無いそうで、全て、共同便所です。歳をとってくるとトイレが近くなってくるので、この辺は何とかならないものかと思う次第です。
客室数は、129室、収容人員は、180人。湯治棟と旅館棟があります。
今回、我々が泊まった部屋は、旅館棟の"えんじゅ”という部屋で、3階(2階?)の角部屋でした。大変明るく、見晴らしの良い、開放感のある部屋で、ひと目見た時から気に入ってしまいました。前日泊まった乳頭温泉 鶴の湯の部屋も良かったのですが、ここの開放感はまた格別でした。このタイプの部屋は二つしかないとの事で、次回来る時には、この部屋を指定して予約したいものです。

酸ヶ湯温泉は5つの源泉を持っています。湯量は豊富。全て同じような泉質で、少し緑がかった白濁した酸性の硫黄泉です。
正式に言うと、酸性硫黄泉(含石膏、酸性硫化水素泉 緊張低張性温泉)pH 2.0 の極めて強い酸性の湯です。
源泉温度は各源泉により違うのですが、48~64度です。
神経痛、リューマチ、皮膚病、婦人病、胃病、痔疾等の諸病に効能があると言われています。(ウィキペディアより)

酸ヶ湯温泉HPより

酸ヶ湯温泉には露天風呂はありません。しかし、あの有名な”千人風呂”があります。酸ヶ湯温泉のシンボルと言っても過言でない風呂です。
”千人風呂”は、総ヒバ造りの建物で、広さ160畳、千人でも一度に入れると言われるほどの広さと言われています。(実際は、とても千人は入れそうにありません 笑笑 )
”千人風呂”の中には、湯船が”熱湯”と”四分六分の湯”の二つ。あと、打たせ湯の”湯瀧”、かぶり湯の”冷の湯”があります。それぞれ別々の源泉の湯です。
”熱湯”(ねつゆ)は源泉をそのまま利用しており、浴槽の中の足下から湯が湧きだしています。源泉がややぬるめのため、体の芯から温まり、いつまでも湯冷めしないという意味で”熱湯”と名付けられたようです。
”四分六分の湯”(しぶろくぶ)は、源泉が熱いため温度の低い他の源泉を混ぜて温度を下げています。”熱湯”より熱くなっているため、”熱湯”の四分から六分ほどの温もりぐあいになると言われています。
そのため名前だけを聞いていると、”熱湯”の方が”四分六分の湯”より熱そうですが、実際は”熱湯”の方がぬるく、ゆったりと酸ヶ湯を楽しめそうです。
どちらの湯も、少し緑がかった白濁したお湯で、私の目からは同じようなお湯に見えました。

この”千人風呂”はもちろん混浴です。入り口,脱衣場は別ですが、中に入ると混浴になります。乳頭温泉 鶴の湯の紹介の時にも触れましたが、混浴というのはいろいろと問題を含んでいるようです。300年以上の混浴の歴史を持つ酸ヶ湯温泉でも問題があったようで、混浴に対していろいろと試行錯誤しているようです。
まず、”熱湯”と”四分六の湯”の湯船の半分は女性専用とし男性は近づけないようにしています。
また、女性用脱衣場から”四分六分の湯”まで衝立を備付け、湯に入るまで見えないようにしています。衝立にかくれて湯につかりながら顔だけを出して入湯できるようにしたわけです。
しかし、こうしても男性用脱衣場から熱湯”への階段から衝立の中が一瞬見えてしまいます。一瞬でも見られるのがいやな女性のため、着て湯に入って良い”湯浴み着”(ゆあみぎ)が売店で販売されています。
どうやっても混浴がいやな女性のためには、晩の8時から9時、朝の8時から9時の時間帯を女性専用にしています。

この“千人風呂”以外に、男女別の内湯である”玉の湯”があります。”千人風呂”には体を洗う施設がないため、ここ”玉の湯”でシャンプーなど、体を洗うことが出来ます。
お湯は、“千人風呂”と同様の白濁した酸性の硫黄泉であり、大きくはないですが、ここでも十分、酸ヶ湯の温泉を楽しむことが出来ます。

旅館棟の廊下に張り紙がありました。”混浴を守る会”の案内でした。
ここ酸ヶ湯温泉でも、混浴を巡るマナー違反が多発したそうです。このままでは貴重な混浴文化が無くなってしまうと危機感を持った市民が、2005年に”混浴を守る会”を作り、酸ヶ湯温泉のお客様に混浴のマナーをアピールする活動を始めたとの事でした。当時の会長は、スキーヤーの三浦雄一郎氏のお父さんである三浦敬三氏。三浦敬三氏は八甲田山の山スキーに魅せられ、酸ヶ湯温泉の常連であったそうです。彼の逝去後、現在はサンデーモーニングに出演していた写真家の浅井愼平氏が会長についているそうです。現在、会員数は12000人を越えているそうです。
”混浴を守る会”の三ヶ条を紹介します。
見ればまいね(見てはいけない)
見せればまいね(見せてはいけない)
第一条 男性入浴者は女性入浴者を好奇の目でみるべからず
第二条 女性入浴者は男性入浴者を好奇の目でみるべからず
第三条 混浴は老若男女を問わず、和を尊び大らかで豊かな入浴の姿を最高と為すべし

男として、ついついじっと見てしまうという気持ちも分からないではないのですが、そこはやはり、程度の問題という事で、皆さんの見識にお任せしたいと思います。(笑笑笑)

青森では毎年8月のはじめにねぶた祭があります。今回、ラッキーなことに、”千人風呂”でねぶた祭のお囃子の実演がありました。笛、太鼓、鉦を使ってお囃子を演奏してくれました。”熱湯”につかりながら、初めて聞くお囃子に、ねぶた祭への興味をかき立てられました。地元の人なのでしょう、湯につかりながら、お囃子に合わせて”ラッセラー”と掛け声をかけていました。地元の人たちがいかにねぶた祭を愛しているかを実感した思いでした。

食事は部屋食で、青森県産の食材をふんだんに使った和会席でした。
朝食は、食堂でビュッフェ形式でした。量も十分で、味も良く、食べ過ぎてしまうほどです。
宿泊料金から考えて,夕食、朝食共に十分満足が出来る内容でした。
なお、自動販売機の缶ビール、レギュラー缶で270円でした。この良心的な値段を見るだけで酸ヶ湯温泉の評価が高い理由がわかると思います。

酸ヶ湯温泉、最高でした。また、もう一度訪れる機会を作りたいと思います。

今回、初めて酸ヶ湯温泉に泊まったのですが、実は、何十年前(確か独身時代だったので40年以上前だと思います 笑)に八甲田山にスキーに来た事があります。その時はスキー場のロープウェイの近くの温泉宿に泊まり、酸ヶ湯温泉には泊まりませんでした。その当時でも、酸ヶ湯温泉では山スキーのツアーを実施しており、一度泊まってツアーに参加してみたいなと思ったことを覚えています。
八甲田山は世界有数の豪雪地帯であり、山スキーのメッカと言っても過言はないのではないかと思います。パウダージャンキーにとって垂涎の地でもあります。今回、酸ヶ湯温泉に常駐している山岳ガイドの方とお話しをする機会を得ることができ、山スキーのツアーの詳細を教えて頂きました。
実は、今回、酸ヶ湯温泉に泊まった目的の一つに、スキーシーズンでの酸ヶ湯温泉の山スキーツアーの情報を手に入れることがありました。(笑)
今回、ツアーの様子を知ることによって、八甲田のパウダーへの想いが、ますます強くなったように思います。もし、膝の状態が許すならば、来スキーシーズンに、ぜひ、ここでパウダー三昧となりたいものです。ぜひ、ぜひ・・・!!!

秋田・青森の旅(4)十和田湖・奥入瀬渓谷 に続く

今回の、秋田・青森の旅のアップ記事
(1)秋田・青森の旅(1)角館・田沢湖
(2)秋田・青森の旅(2)乳頭温泉 鶴の湯
(3)秋田・青森の旅 (3) 酸ヶ湯温泉
(4)秋田・青森の旅(4)十和田湖・奥入瀬渓谷

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