あぶのさらんばんにようこそ!
私の家族は私を”あぶ”と呼びます。父のことを韓国語で”アボジ”と呼ぶのですが、私のルーツである韓国の慶尚道の方言では”アブジ”と呼んでいるように聞こえます。子供たちはそれを短くはしょって、私のことを”あぶ”と呼ぶようになったようです。
皆さんも私のことを”あぶ”と呼んで頂ければと思います。
”さらんばん”とは、舎廊房(사랑방)と書き、韓国での主人の書斎であり,大切なお客様の接待が行われる部屋を意味します。
“舎”とは家を表し、”廊”とは男を表し、”房”とは部屋を表します。男尊女卑的な感覚を微妙に内包しているという意味で少し問題があるのではないかとも思いますが、古き良き時代(?)の儒教思想を具現した言葉だと思います。
また、”さらんばん”とは何の関係もないようですが、”さらん”(사랑)には愛という意味もあり、”さらんばん”という言葉は私にとってステキな響きを持った大好きな言葉です。
改めまして、私、あぶのさらんばんへようこそお越しいただきました。
私は、日本で生まれ、日本で育ちました。私は日本語しか話せず、日本の幼稚園から大学まで、普通の日本人が受ける教育を何の疑問も感じず受けてきました。しかし、私の思考パターンには、親から受け継いだ、韓国文化の影響が色濃く残っているようです。学生時代から物事に対しての感じ方が友人たちと微妙に違っていた事を思い出します。日本社会では当然だと受け止められる事も、私にとって少し違うんじゃないかと思えることが多々ありました。こういった考え方の差はどこから来るのかと悩みだしたのが、私のアイデンティティ探しの原点だったのでしょう。私の精神遍歴を少しずつでもお話しできればと思っています。
還暦を過ぎ、私は仕事に一区切りをつけ、長年の夢であったソウルへの語学留学を体験してきました。成均館大学語学堂の正規課程を卒業後、西江大学語学堂も経験してきました。実は、それ以前に延世大学語学堂の正規課程(病気のため中途帰国)、梨花女子大でのサマースクールにも留学の経験があります。4つの語学堂を体験したのですが、教育方針、授業の進め方等、かなり違いがありました。それぞれの特徴等も紹介していきたいと思います。
成均館大学はテハンノ(大学路)の近くにあります。ご存知のようにテハンノは韓国での演劇のメッカです。一説によるとテハンノには小劇場が120軒以上あると言われています。私は、ここテハンノで初めて演劇を楽しみました。韓国で大衆芸能として根付いている演劇、そしてミュージカルを含め、紹介したいと思います。
もう何時頃の事か忘れるぐらいの遥か彼方ですが、私の結婚式の時(もちろん日本でです)、私の祖母が、大きな甕に一杯、マッコリを作ってくれました。結婚式に集まってくれる人々にふるまうためです。その時のマッコリの美味しさが忘れられません。ソウルでさえも、美味しいマッコリにはなかなか出会うことが出来ません。やっと見つけたお店の紹介もできればと思います。
私の最大の趣味はスキーなのですが、変形性膝関節症のためにスキーを十分楽しむことができなくなっていました。しかし、韓国の最先端医療の膝軟骨再生手術を知り、サムソンソウル病院で手術を受けてきました。日本では決して受けることのできない手術だったのですが、その後の経過についてもお話ししていきたいと思います。
今、思いつくだけでもお話ししたいことがいっぱいあります。私が感じ、体験し、失敗してきたことをこの部屋でお話ししたいと思います。よろしくお付き合いをお願いします。