ソウルのマッコリを楽しむ ウォルヒャン光化門店

 2018/4/24から2泊3日のソウル訪問時のマッコリの話です。

 私たちが飲むマッコリには、生(セン)マッコリと熱処理されたマッコリがあるのはご存知だと思います。
 韓国の伝統麹(ヌルク)を使い伝統的な製法で作られた生(セン)マッコリは、含まれている酵母、酵素、乳酸菌等の微生物が生きており、米本来の糖分の柔らかな甘さと、発酵時の微炭酸の爽やかさ、そしてヌルクから生まれる深く風味豊かな味わいを持った生きているマッコリです。しかし、生きているが故に長期間保存すると発酵が進み過ぎて酸っぱくなり飲用に適さなくなります。また、製造方法も発酵過程での温度管理等、厳格な製造環境管理が求められ、大量生産が難しい面があります。

日本に輸入されているマッコリは最終消費者に届くまでに日にちがかかるので、ほとんどが長期間保存のきく、熱処理をされたマッコリになってしまいます。
 また、輸入されているほとんどのマッコリは、醸造時の失敗(腐造)を防ぐため、本来の伝統製法とは違う、伝統麹(ヌルク)を強化した改良麹を使い、それを使うことによって生じる苦味を人工甘味料を添加することによって味を調え、大量生産しています。
 日本で飲めるマッコリの大多数がこのように製造され、本来の風味からかけ離れた、甘たるくてくどい、飲むに値しない味に変質したマッコリなのです。

 ソウルでも伝統製法で作られた生マッコリを出してくれる店は滅多にありません。今回はその数少ないマッコリ専門店のひとつを紹介したいと思います。

 私が語学留学していた時、教科書にマッコリに絡んだ話がありました。はっきりとは覚えてないのですが、次のようなあらすじだったと思います。
 韓国に語学留学に来ていたスウェーデン人の若い女性が、マッコリの味にはまり、マッコリをより詳しく知るためマッコリ学校にまで入ったのです。白人の若い女性がたどたどしい韓国語で熱くマッコリを語る姿にマスコミが飛びつき、彼女は一躍時の人になりました。そして、彼女を応援したいというスポンサーが現れ、ソウルのホンデ(弘大)の近くでマッコリの専門店をオープンするという話でした。

 後日、ホンデの近くにウォルヒャン(月香)というマッコリ専門店がある事を知りました。この店が教科書に載っていた話のモデルではないかと勝手に想像したのですが、事実はどうなのか確認は出来ませんでした。
 当時、私が知っている限り、ウォルヒャンにはホンデ(弘大)店、イテウォン(梨泰院)店、カンナムのカロスキル店があったようです。大阪にも出店したようですが撤退したとの事です。

 最近になって、マッコリが飲みたくなり、調べてみるとシチョン(市庁)の近くに先程お話ししたウォルヒャンのカンファムン(光化門)店が新しくオープンしていました。さらに、行ったことはないのですが、ミョンドン(明洞)にもオープンしているとの事です。カンファムン店は私の常宿であるコリアナホテルのすぐ裏にありました。歩いて3〜4分です。早速行ってきました。

 予約もせず、平日の晩の8時ぐらいに行ったのですが、運よくカウンター席でひと組空いていました。思っていたより大きくてモダンな店舗です。会社帰りのサラリーマンでいっぱいでした。この時間帯に来るのなら、予約は必須だと思います。
 マッコリはいろんな種類を置いてあり、正直、どれがどうなのか全く分かりませんでした。韓国語のメニューを見ても想像もつかず、店員さんに聞いて、いちばん人気のあるマッコリを注文したのですが、どうやらそれがウォルヒャンが特別に造らせたハウスマッコリ(ソンドマッコリ)だったようです。これはさすがに美味しかったです。
 次に、わけもわからず適当に注文したのですが、そのマッコリ(ミョンドンマッコリ)は少しオレンジがかった色をしており、柑橘系の香りがして、これもすてがたい味でした。
 そして、何年か前にテグ(大邱)で飲んだスパークリングマッコリ(ポクスントガ 福順都家)を思い出したので、あるかと聞くと、さすがウォルヒャン、ちゃんと置いてありました。このポクスントガは炭酸がよく効いているため、栓を開ける時に一度に開けることが出来ず、開けたり閉めたり、何回も炭酸を抜きながら開けていきます。この様子を見るのもまた、楽しみのひとつです。少し高いですが、味も良く、このマッコリは本当におすすめです。
 また、今回は飲んでないのですが、栗をベースに醸造したマッコリというのもあります。本当に栗の味が楽しめます。そしてイチゴやハチミツのマッコリカクテルもあり、お酒が苦手な女性たちにも楽しんでいただけるのではと思います。

 ウォルヒャンでは数多くの種類のマッコリや韓国の伝統酒だけでなく、世界各国のワインまで置いてあります。

 ここでは何を食べても美味しいのですが、特に私が気に入った料理がこのホガムジョンです。韓国カボチャ(ホバッ)とジャガイモ(カムジャ)を使い、野菜、エビをちらしたチジミです。ピリ辛でカリカリにあげた食感とエビのうまみが何とも言えず、マッコリがいくらでもすすみます。おすすめです。

 酒も美味しく、料理も美味しい、ウォルヒャン、ぜひ行ってみてください。

 地図を表示したいと思ったのですが、グーグルマップではハングルか英語しか表示できませんでした。ウォルヒャンでググってください。いっぱい出てきます。(笑)

 月香光化門店(ウォルヒャン カンファムン ジョム)
  ソウル市中区太平路1街61-27(チュング テピョンノイルガ61-27)
  TEL : 02-723-9202

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追記
7月26日、ウォルヒャン 明洞店に行ってきました。

地図を見ながら探したのですが、それらしき店が見当たりません。何回か行き来した後、調べ直すと6階と書いてあるではありませんか⁉︎ 上を見上げると、なるほど窓にウォルヒャンと書いてあります。どうやら、ホテルの中に入っているようです。
"ホテル28明洞"の入り口からエレベーターで6階に上がるとホテルのフロントがあり、その前を通って奥に入るとウォルヒャン 明洞店がありました。少し場所が分かりづらいようです。

ウォルヒャンの自家製生マッコリ(ソンドマッコリ)はやはり、なんとも言えず美味しいです。自然に笑みが浮かんできます。今回のは少し熟成が進んでいるのか、まったりとして少し酸味があり、炭酸がいつもより効いているようです。どちらかと言うと今回のほうが私にはあっているような気がします。このように、微妙に味が変わるところが生マッコリの真骨頂でしょう⁉︎

料理はカンファムン店で食べたホガムジョンと他の一品を注文したのですが、ちょっと油っぽくて、今回は少し残念でした。料理人が変わると味も変わるのは仕方がないのですが・・・

店は明洞のど真ん中にあり、大変便利です。12時まで営業していますので、ぜひ、利用して見てください。

場所 : ソウル特別市 中区 明洞1街 59-1
    ホテル28明洞 6階
電話 : 02-318-9765

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