下諏訪温泉 料理旅館ぎん月

2019年1月27日、白馬コルチナスキー場からの帰り道、諏訪湖のほとりの下諏訪温泉 ぎん月に泊ってきました。
白馬コルチナスキー場から兵庫県の自宅まで帰ろうとすると、約7時間弱かかります。老年の域に達している私にとって、行きと違って、午前中スキーを楽しんでからの7時間の連続運転はさすがに辛いものがあります。いつもであれば、名古屋で学生をしている末娘のところに寄って一泊するのですが、彼女は進級のかかった試験の真っ最中なので寄ることもできず、どうしたものかと思案していました。
前にも書きましたが、白馬コルチナスキー場は長野県の北の端、小谷村にあるので、自宅へ帰るルートは、北陸道経由か中央道経由の2ルートがあります。しかし今回は、東京に住む長女が同行しており、JR新宿行きの”あずさ”に乗せるため、松本駅まで送って行かなくてはなりません。したがって帰路は中央道経由に決まりです。どこか中央道沿線で、良い温泉があれば、出来れば料理もおいしい旅館があればとネットで探していると、下諏訪温泉のぎん月がヒットしました。

下諏訪温泉は、長野道の岡谷インターから約15分、松本駅から約40分ちょいで行け、帰路の中央道にもすぐです。
下諏訪温泉は、江戸時代の主要五街道の内、二つの街道「中山道と甲州街道」の合流地でもあり、中山道69次ある宿場の中でも唯一温泉が出る宿場町として多くの旅人達の疲れを癒やして来ました。 昔は「諏訪の湯」と呼ばれ、温泉効能番付で東の小結に位置付けられ、西の小結・道後温泉と並んでいたほどの名湯だと言われていました。
下諏訪の源泉は20ヶ所、湧湯量は5100リットル。様々な泉質の温泉が楽しめます。
今回、体験できなかったのですが、下諏訪温泉には公衆浴場がたくさんありますので湯めぐりも楽しいのではないでしょうか。湯めぐりマップもあるようですので色々な泉質のお湯を楽しめるようです。次回の時の楽しみにしたいと思います。
ここ、ぎん月では 諏訪大社の女神伝説から神の湯と言われている”綿の湯”の源泉を引いており、泉質は、単純温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)で、効能は、皮膚病、美肌効果、リュウマチ・神経病に聞くと言われています。
ぎん月の浴槽は、男女それぞれに、内湯がひとつ、露天風呂がひとつあり、内湯は一部循環させていますが、加水、加温なしのかけ流しです。露天風呂は、夜9時以降は貸し切り風呂になりますが、循環させることもなく、加水、加温なしの完全な源泉かけ流しとなっています。
ぎん月は、大正時代に料理割烹として営業を始め、その後、昭和23年から料理温泉旅館として現在に至っている老舗で、数々の料理コンクールで賞を受けた料理長が腕によりをかけて極上の会席料理を提供してくれるとの事です。

ぎん月は総部屋数15室のこじんまりした旅館です。
チェックインは15時~18時、チェックアウトは10時です。
シティホテルではよくあるのですが、このような温泉旅館でも、最近、チェックアウトの時間を11時にしているところがすこしずつ増えてきているようです。観光が目的ではない我々にとって、翌日の朝は、出来るだけゆっくりと過ごせればと思うのですが、10時チェックアウトはちょっと朝寝をすれば何ともあわただしいものです。翌日に何の予定もない我々としては、旅館は、寝ることだけを目的にしているのではなく、温泉を含めた旅館での滞在自体を楽しむことが目的です。早朝、ゆっくりと温泉楽しみ、朝食後、また温泉を楽しむことができる旅館がもっと増えてくれれば、旅の満足感がもっともっと高まるのではないでしょうか。

当日、4時過ぎに到着し、さっそく温泉に。
ネットでチェックした時、加水、加温なしの源泉かけ流しだと思い込んでいたたのですが、内湯に貼ってあった長野県温泉協会の温泉の利用状況のポスターをみると、循環させていると書いてあるではないですか。源泉かけ流しだと思い込んでいただけにガックリでした。
また、お風呂内に手すりが付いていません。特に、洗い場の椅子がかなり低いので、洗い終わった後、ひざ痛の私にとって、立ち上がることが一苦労でした。私のように腰痛やひざ痛を持った年配の方が今後ますます増えていくと思います。善処してほしいものです。
ただ、浴槽に入ると、洗い場に惜しげもなく溢れ出るお湯が気持ちよく、やはりかけ流しは贅沢な気分を味合わせてくれると一人満たされた思いでした。
また、ここの露天風呂には内湯から直接入ることができません。一度、服を着て、外の廊下を通らなければ露天風呂に行けません。
露天風呂は、内湯と違って、循環させず、加水、加温なしの本物の源泉かけ流しでした。少しぬめり感のある、まったりとしたいい湯です。何度も湯につかり、ほてった身体を冷ましながら、源泉かけ流しの温泉を満喫しました。本当にいい湯でした。(笑)
ただ、露天風呂には洗体用の蛇口が付いていませんでした。内湯で体を洗って、露天では湯につかるだけと言う事らしいです。私としては、朝、源泉かけ流しの露天へ入りたいと思うのですが、歯磨きをする蛇口もありません。先に内風呂に入って、汗ばんだ身体でもう一度服を着て露天に行くのはちょっと・・・ 
せっかくのいい湯なのですから何とかならないのかなと思うところです。

会席メニュー

料理にはかなり期待を持ってました。ここで最高のぎん月極上会席(宿泊料金 1名 22,680 円)を頼んでおいたのです。しかし、出された会席は,料金的に考えたら上出来だとは思うのですが、期待が大きすぎたのか、それとも私が歳を食い過ぎたのか・・・ 鯉の新月煮という、鯉を2日間煮込んで筒切にしたぎん月の名物料理は出たのですが、これだけでは少しインパクトが薄いような気がします。会席のメニューとしてはよくできているとは思いますが、信州の特産物、例えば、ジビエだとか、今が旬の諏訪湖産のワカサギだとか、ここでしか手に入らないような食材を使うなどして頂ければ、更に満足感が高まるのではないかと素人ながら思う次第です。農林水産大臣賞を受賞したほどの料理長が腕を振るうと言う事で期待が高まり過ぎたようです。ご容赦ください。

部屋はかなり広く、掃除も行き届いており、清潔で、細かいところにも気配りされた気持ちのいい部屋でした。部屋は、居間と寝室に分かれており、寝室にはベッドが用意されていました。私は膝が痛いため、いつもベッドを利用しており、畳の上に布団を引くと起き上がるのに不自由を感じるので、ベッドは大変ありがたいと感じました。

部屋から眺めた諏訪湖

ぎん月は高台にあると言う事で、部屋の窓からは、遠くに諏訪湖も望めます。諏訪湖と下諏訪の街並みの広々とした景観を一望できるのは気持ちのいいものです。
また、仲居さんも朗らかな方で、下諏訪の見どころなども詳しく教えて頂き、楽しく過ごさせて頂きました。

いっぱい不満ばかりを書いてしまいましたが、満足できるところもいっぱいあり、今回の宿泊では、かなり気持ちよく過ごさせていただきました。料金的に見てもかなりリーズナブルな宿ではないかと思います。しかし、もっともっと良くなる可能性を秘めた宿だと思いますので、今後のご健闘を期待したいと思います。

翌日、下諏訪の観光に行ってきました。氷点下3度でした。めちゃくちゃ寒かったです。スキー場だとなんという事のない気温なのですが、スキー場から離れると途端に寒さがこたえます。(笑)

諏訪大社下社の秋宮

大しめ縄

ぎん月の近くには、御柱祭で有名な諏訪大社下社の秋宮があります。徒歩で5~6分で行けますが、秋宮の近くには無料駐車場がありますので、車で来ている方には車の方が便利だと思います。
私は、神や仏をまるっきり信じない方なので、神社仏閣に手を合わすことはしません。初詣もこの何十年行ったことがないくらいです。しかし、神社仏閣の広大な境内の何とも言えない荘厳な雰囲気を私は大好きです。ここ諏訪大社では、出雲大社に比較できるほどの大しめ縄があり、7年に一度の御柱祭で運ばれ、建てられた四隅の御柱にも興味があり、ゆっくりと見て回ってきました。

秋宮の御柱

諏訪大社下社には、秋宮と少し小さい春宮があります。秋宮と春宮はあまり離れていません。車だとすぐです。春宮のすぐ近くに無料駐車場がありますので、ここに車を止めて、春宮、おんばしら館よいさ、万治の石仏等の観光ができます。

万治の石仏

万治の石仏

万治の石仏は、御柱祭を見に来られた画家の岡本太郎さんや、作家の新田次郎さんがこの石仏を見て感嘆されたことで、一躍有名になりました。何とも言えない素朴な風貌に心を癒される方がたくさんいるのではないかと思います。
おんばしら館よいさは、7年に一度の諏訪大社に建てる御柱を運ぶ、勇壮な御柱祭を詳しく紹介している施設です。御柱に乗る体験施設もあり、なかなか楽しい施設ですので立ち寄られたらと思います。
車で少し行きますが、御柱祭のクライマックスである、御柱を上から落とす木落とし坂も見てきました。
諏訪大社下社の秋宮、春宮、万治の石仏、おんばしら館よいさ、木落とし坂、諏訪湖。それ以外にも観光どころはいっぱいあるようです。下諏訪温泉、お勧めです。

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